2023/04/19
玄米とさまざまな穀物の違いは?主食にはなにが向いているの?
穀物とは、私たちの食事の中で主食の部分支えており、なくてはならない食材です。
穀物というと、米や小麦などたくさん種類があり、スーパーやネットでなどでも色々なものが売られており、手に入りやすくもなりました。
今回は穀物のそれぞれの違いや特徴、良さなどについてご紹介します。
そして、どの穀物が継続的に食べる主食として向いているのかなどをお伝えします。
白米
最初に誰もが一番最初に主食と思い浮かぶのが白いご飯ではないでしょうか。白米のよさは、なんと言っても食べやすい、消化しやすいというところです。
数ヶ月の赤ちゃんが食べ始める離乳食から、高齢になっても、一生を通して食べ続けることができる、日本人の主食です。
どこでも手に入れることが出来て、腹持ちもよく、炊飯器などで簡単に炊いて食べることができるのも白米のメリットですね。
白米は、玄米の皮をむいた身だけの状態です。
皮や、皮と身の間には豊富な栄養素が含まれており、それを剥いているとなると、玄米よりは当然栄養素は落ちてしまいます。
食べやすさと引き換えに少し栄養素が落ちてしまうということです。
それでも白米は腹持ちもよく、消化吸収がゆるやかで身体にも負担が少ない食材と言えるでしょう。
・栄養価 (精白米[炊飯前] 100g当たり)
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
342kcal | 6.1g | 0.9g | 77.6g | 0.5g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
1mg | 89mg | 5mg | 0.08mg | 0.02mg |
玄米
玄米とは白米になる前のお米です。稲の実からもみ殻だけを取り除いたもので、精米をされていない、ぬかや胚芽はそのまま残ったお米の状態です。
なので、栄養価としては、白米とカロリーはほとんど変わりませんが、ぬかや胚芽にあるビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。
玄米はGI値が低いため、血糖値が上がりにくく、脂肪も付きにくいといわれています。
その食感から、自然とよく噛むことができ、腹持ちなどもよいとされています。
おかずがなくても、たくさんの栄養素が摂れるという栄養面で優れていることと、GI値の低さなどからダイエットや健康に気を使う場合などにも適していると言えます。
さらに発芽玄米になると、玄米より特にGABAが多く含まれるようになります。
GABAはアミノ酸の一種で、自律神経に関与する栄養素です。
ストレスの軽減や睡眠の質の向上や、血圧を下げるといった効果が期待されます。
・栄養価 (玄米[炊飯前] 100g当たり)
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
346kcal | 6.8g | 2.7g | 74.3g | 3.0g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
1mg | 230mg | 9mg | 0.41mg | 0.04mg |
雑穀米(五穀、十六穀、他)
雑穀米とは、米を主とする穀物に、その他の穀物を混ぜたものです。
米や小麦、大麦などの穀物以外を雑穀という総称で呼ばれます。
最近では、五穀や十穀、十六穀、十八穀など様々な雑穀米の種類が売られています。
作っているメーカーによっても入っている中身が変わっていたりもします。
例として、五穀ごはんは、一般的に米・麦・きび・あわ・豆・ごまなどからの5種類の穀物が入っていたり、十穀や十六穀だと、上記以外に、大麦・発芽玄米・赤米・黒米・小豆・黒豆・アマランサス・キヌア・ハト麦・ひえ などが含まれていたりすることが多いです。
雑穀米は白米を主にして、1~3割程度の雑穀を混ぜて炊くことが多く、基本的には白米にプラスして炊くように出来ています。
炊飯器で白米と混ぜて炊くことで、1度で白米とたくさんの種類の雑穀を簡単に摂ることができます。
雑穀米単体だけで炊飯することは少なく、販売している費用面でも白米よりも高いので、売られている雑穀米だけを炊いて単体で食べることは少ないでしょう。
雑穀米も白米に雑穀を足して炊くので、白米だけの場合と比べると食物繊維やミネラルが追加され、白米より多く摂ることができます。
メーカーや商品によって内容が変わり、炊く際にプラスする量によっても栄養価が変わります。
食感はあまり白米と変わらないようなものから、豆のようなものが入っている雑穀米もあるので、ものによっても出来上がりが大きく変わります。
・栄養価 五穀ごはんの一例(精白米と五穀2割[炊飯前] 100g当たり)
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
343kcal | 7.9g | 2.2g | 74.5g | 2.5g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
1mg | 205mg | 16mg | 0.14mg | 0.03mg |
麦ご飯(大麦・押麦)
麦ご飯とは、大麦を炊いたもの、もしくは大麦を白米と混ぜて炊いたもののことを言います。
だいたい日頃外食などで目にするものは白米に大麦を2~4割ほど混ぜたものが多いです。
もち麦というものを見かけることもあるかと思いますが、もち麦も大麦の一種です。
通常の大麦ともち麦の違いは、白米ともち米の違いと同じように、もち麦は粘り気があるのが特徴です。
大麦ももち麦もそれだけで炊くことも可能ですが、麦特有の独特な香りが強く、食感もかたいので、基本的な食べ方としては、やはり白米と混ぜて炊くことが多いようです。
・栄養価 麦ごはんの一例(精白米と大麦2割[炊飯前] 100g当たり)
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
340kcal | 6.2g | 1.0g | 77.8g | 2.8g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
1mg | 113mg | 8mg | 0.08mg | 0.03mg |
オートミール(オーツ麦)
オートミールはオーツ麦(えん麦)を原料にしたもので、私たちが目にするものは、食べやすく平たく加工された食品です。
オートミールはシリアルのように牛乳に浸して食べたり、お粥にしたり、お菓子の材料に使ったりなど、食事として様々なバリエーションの使い方ができ、取り入れやすい食品です。
栄養価も高く、食物繊維やビタミン、ミネラルもかなり豊富な食材です。
通常よく目にする水や牛乳などでお粥状にする食べ方では、オートミールは水分をよく吸って膨らむので、米のように1度にはたくさん食べることは難しいようです。
一食当たりだと大体30g程度なので以下の栄養価の約3割が一食の栄養価です。
通常のオートミールは乾燥した状態で売られているのが一般的ですが、電子レンジなどで簡単に調理することができるので、お米類と違って、炊飯時間がほとんどないことが手軽で食べやすい点です。
ただし、日本食のおかずとは合いにくいので、毎食の主食というよりは、朝食などに取り入れたい食材です。
ただし、市販で売られているオートミールは、食べやすくするために始めから砂糖などが入っているものも多くありますので、購入する際はよく確認してください。
・栄養価 (オートミール[乾燥] 100g当たり)
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
350kcal | 13.7g | 5.7g | 69.1g | 9.4g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
3mg | 260mg | 47mg | 0.20mg | 0.08mg |
小麦
小麦は、小麦粉として、私たちがよく食べる食品にとても多く使われており、身近な穀物です。
パン、麺、ケーキやお菓子類などを始め、味噌や醤油、焼酎など様々なものに含まれています。
食のバリエーションを楽しむためには欠かせない食材の一つであり、私たちの食事での主食にもなっている食材です。
小麦は小麦粉にすると、香りもよく、アレンジがとても利き、食生活を豊かにする食材で、なくてはならないものですが、主食としての米との栄養素では大きく違います。
どうしても小麦粉はそのままで食べることが出来ず、加工が必要となるので、手間や費用がかかる他、栄養面では米よりもカロリーが高く、加工する分、脂質や塩分も高くなってしまいます。また、米には小麦には含まれない必須アミノ酸が含まれています。
小麦由来の食品はパンや麺類などたくさんありますが、毎度の主食にするのではなく、1週間を通して選びながら取り入れるのがよいです。
・栄養価 (小麦粉 100g当たり)
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 |
349kcal | 8.3g | 1.5g | 75.8g | 2.5g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0mg | 110mg | 20mg | 0.11mg | 0.03mg |
私たちの周りには、様々な穀物があり、この時代、色々自分たちで選択して購入したり、食べたり、調理することが出来るようになりました。
それぞれが良い点や足りない点などがあるかと思いますが、主菜、副菜などで補いながら、食べやすさや栄養面を捉えて、日々さまざまな食事を選んでいけるといいかと思います。
たくさん穀物がありますが、メインで主食にする点では、日本人にはやはり米が主食に向いており、さらに栄養面を考えると、玄米や雑穀米などが優れています。
雑穀米は様々な種類があり、どれを選んでよいか、炊く割合なども分かりづらい場合もあります。ものによると、食べづらいものがあったり、入手しづらかったり、費用面でも割高になる場合があります。
そんな場合は入手しやすく、価格も安定している玄米がおすすめです。
玄米は香りや食べにくさなどがあるかと思いますが、栄養が豊富で、炊き方によっては比較的、白米に近い炊き上がりにすることもできます。
単体だけでなく、アレンジなどをして、上手く食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ご紹介した穀物、それぞれの特性などを活かして、楽しく食事をしてくださいね。
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PROFILE
管理栄養士
上垣 綾 UEGAKI RYO管理栄養士、栄養教諭、フードコーディネーター等の資格を取得し、今まで、保育園・企業・福祉施設など乳幼児から高齢者まで幅広い方々の献立作成や、メニュー開発、栄養指導など行なってきました。
健康や生活に役立つ玄米についてのコラムや、玄米を美味しく楽しく食事に取り入れて頂けるようなレシピの紹介など、お伝えしていきたいと思います!